在原業平と菅原道真が平安京の怪奇に挑む『応天の門』

時は平安、藤原家が今まさに宮廷の権力を掌握せんとする頃。策謀渦巻く都では女官の失踪が相次いでいた。「鬼の仕業」と心配する帝から調査を依頼された左近衛権少将の在原業平。月夜にふと一人の青年と出会う。名は菅原道真。頭脳明晰で引きこもり学生の彼を半ば無理やり引き込んで調査を進めていくうちに、事件の背後に藤原家の影がちらつきだして――。

無類の女好き・在原業平と、妖や迷信の類は一切信じないひきこもり学生・菅原道真の凸凹コンビが、都の怪奇に挑む平安クライムミステリ。

ということで『応天の門』を紹介します!

みどころ

1)探偵役は実在の凸凹コンビ

舞台は平安京。迷信深い人の心には魑魅魍魎が跋扈する、雅な時代。都ではおよそヒトならざるモノの仕業と思える奇怪な事件が頻発します。

探偵役となるのは、『ちはやふる』で有名な「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くゝるとは」を歌った無類の女好き・在原業平と、後世にて学問の神様となる若き学生時代の菅原道真。

在原業平は「検非違使(現在の警察)」を率いる役職柄、さまざまな事件に出くわします。その話をもって、頭脳明晰・冷静沈着な学生として描かれる菅原道真に無理やり巻きrf」::::::dfffffff::::「込むことで、自然と物語が動き出す。ちょうどいい物語の導入役と解決役になっています。

登場人物がすべて実在しバックボーンがしっかりしている分、二人ともいきいきしているのも魅力。

2)平安京の艶やかな怪奇譚

面妖なる事件の背後にあるのは、宮廷の権力争いだったり、政略に翻弄される女官の悲哀だったり。

例えば江戸を舞台としたミステリだと、「真相には人情」となりますが、こちらは平安時代。全体に漂うは、どこかしら怪しく艶やかな雰囲気となっています。

例えば、「玉虫姫」というエピソード。都を賑わす絶世の美女が多くの男性から歌を贈られるも、誰一人にもなびかず、返歌は贈らず。いよいよその正体に期待が膨らむなか、姿を垣間見たという男たちが断片的に語るその特徴は、どれもまるで異なっていて。その正体は――?

といった具合。

在原業平には宮女、菅原道真には藤原家が絡み、策謀も渦巻く骨太なストーリーとなっています。

3)リアルな時代考証

時代考証は、東京大学史料編纂所の専門家が監修し、とってもリアル。実在の人物の役職・人柄はもちろん、その時代の文化や細かい風習までこだわって描かれるので、荒唐無稽にならず。人間くさい物語が展開されます。トリビアもたくさんあるので、この時代が好きな人にはニンマリできる作品。

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