高校生探偵と幽霊JKが謎に挑む学園ミステリ『君が死ぬ夏に』

まるでシャーロックホームズのような推理力を持つ高校生の山野智也。彼は、同級生の谷川沙希に恋心を抱きつつも、想いを告げられずにいた。

そんなある日、生きているはずの沙希の「幽霊」が現れて――!?

どうやら彼女はこの先1カ月以内に命を落とす運命で、未来から幽霊となってタイムリープしてきたらしい。でも、どうして自分が死んだのかは覚えておらず……。

手がかりは、学園内で最近自殺した「西田さん」。智也はその死が実は他殺で、そこに沙希も巻き込まれたと推理する。その謎が解ければ、沙希が死ぬ未来を変えられるかもしれない。いや、絶対に変えるんだ!

かくして「高校生探偵」と「幽霊JK」コンビによる謎解きミステリが幕を開ける。

ということで異色の学園SFミステリ『君が死ぬ夏に』を紹介します!

みどころ

1)未来からきた幽霊JK

学園での死の謎に、高校生探偵が挑む。「お、金田一的な?」と思いきや、そこになんと「未来からきた幽霊JK」が登場します。しかも、その正体は主人公が恋をする女の子。幽霊となった彼女とコンビを結成し、彼女自身の死の謎を解き明かすという、奇抜な設定が特徴です。

この「未来で死んだヒロインが幽霊となってやってくるタイムリープ要素」を加えたことで、謎が何重にも重厚に。その重苦しくなりそうなストーリーを、幽霊沙希のコミカルで明るい性格がうまく調和しています。

幽霊沙希はぬいぐるみに憑依して、謎解きをお手伝いします。それどころか、智也の部屋で「エッチなDVDどこに隠してる?」と目を輝かせながら、ぬいぐるみとなって探索スタート。「わー」となった智也に、「すまぬ、少し興味がござった」と茶目っ気たっぷりに応える。この複雑な世界観にあっても、自由奔放に動き回っていて、このキャラ設定がまず見事。

2)じわじわと効いてくるタイムリープ設定

ストーリーもなかなか面白くて、死の謎を追いながら沙希が死なない未来をめざす二人だけど、途中で「そもそも未来って変えられるものなのか?」と気付きます。

事象が確定した後にいくら過去に戻って結果を変えようとしても、結局確定した未来へと世界線が収束していく。そんな物語がありますが、『君が死ぬ夏に』の世界では、そこんとこどうなんでしょうか。そんなタイムリープものに付き物のテーマが、ミステリのほかもう一本、物語を支える主軸となっています。

うん、この設定、大好物。

で、そんな異色な食材を違和感なく調理して、テンポのいいストーリーに仕上げているのがまた見事。まだ3巻ですが、今後の展開にも期待できそうです!

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