男女の体が入れ替わったのだけど…?謎が謎を呼ぶ『ぼくは麻里のなか』

友達が一人もいない大学生の「ぼく」は、コンビニで見かけた女子高生・麻里に憧れていた。ある日、いつものように麻里を尾行していると突然記憶が飛び、気が付けば「ぼく」は麻里の姿となってベッドで寝ていた。

まさか、身体が入れ替わった――!?

ところが、入れ替わったはずの僕の中に「麻里」はいなくて、僕は僕のまま、なぜか麻里のことを一切覚えていなかった。それなら「麻里」はどこへ行ってしまったのか。「ぼく」は、麻里を慕っていた柿口依とともに「麻里」の捜索を開始する。

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ということで『ぼくは麻里のなか』を紹介します。『君の名は。』でもおなじみの人が入れ替わる話、のはずが、なぜか入れ替わった僕の中に「麻里」がいないというなかなか一筋縄ではいかない物語です。

みどころ

① 謎が謎を呼ぶ展開

「ぼく」は麻里の中に入ったのに、なぜ僕の中に「麻里」はいないのか? その謎を追うのが物語のテーマ。

なぜか麻里に強く執着する依さんとともに、なぜか入れ替わらなかった僕の周辺から、「麻里」を探していきます。ところが、捜索は行き詰まるばかり。

左から「ぼく」、依さん、僕。3人で「麻里」を探すのだが……
出典『ぼくは麻里のなか』

そんなある日、麻里のケータイに電話がかかってくる。「もしもし、あなた誰? 私、麻里だけど――」

果たして「麻里」はどこにいるのか。どんな状況なのか?

そんな謎が謎を呼ぶ展開が大きな魅力です。

② 入れ替わったことによる絡み合う心理描写

それ以上に特徴となっているのが、さまざまな心理描写です。

「ぼく」が中に入ってしまったせいで壊れ始める麻里の日常。そう、女子高生のなかに男子大学生が入って、それまでの日常を維持できるはずがないのです。しかも僕は、友達が作れず、大学にも行けなくなった引きこもりの男性。当然、女子高生の気持ちなんてわかるはずもありません。やがて友達ともギクシャクしていくのですが、その心理描写がとても繊細でGOODです。

友達ともギクシャクしていく/出典『ぼくは麻里のなか』

また、依さんは依さんで麻里を慕っているため、気持ち悪い男性が麻里の中に入っていることが許せない。ところから、次第に心変わりして――という心理の変化が描かれます。

麻里を慕う依さん/出典『ぼくは麻里のなか』

さらに、僕は僕のまま存在するため、「ぼく」は第三者の視点で僕を観ることになります。そうやって初めて気づく自分の姿。「僕は……おまえは最低だから」と「ぼく」にも少しずつ変化が起こる。

このあたりの心理描写が最大のテーマとなっています。

『君の名は。』のように男女の中身が入れ替わる物語はたくさんありますが、「実際に入れ替わったらどうなるか?」をよりリアルに描いているのが『ぼくは麻里のなか』という作品です。結末もしっかり着地するので、この謎がどこへ行き着くのか、ぜひその目で確かめてみてください。

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