達人を集め、秦の暴虐に抗え!『達人伝~9万里を風に乗り』

荘子の孫、荘丹。斉に王と親友を殺された彼は、民の皆殺しを回避すべく、斉の大将軍に「9年のうちに秦に対抗できる達人たちを集める」と大ボラを吹いたことから、天下に埋もれた様々な分野の達人を探す旅に出ることに。

間もなく出会った無名と丁烹とともに、天下の大盗や戦国四君に見初められ、「丹の三侠」として活躍する。

そんな中、動き出す秦の武将、王齕と白起。圧倒的な武力と、他国の信を踏みにじる秦の暴虐に、抗う術はあるのだろうか――?

丹の三侠(出典『達人伝~9万里を風に乗り』)

ということで王欣太氏による中国・春秋戦国漫画『達人伝~9万里を風に乗り』を紹介します。『キングダム』と併せて読みたい1冊です。

みどころ

① 丹の三侠

主役は、丹の三侠。荘子の孫の「荘丹」、天下の有名人をすべて記憶している「無名」、料理人の丁烹の3名です。さまざまな才能に憧れる、大ボラ吹きの達人・荘丹が、独特の空気感で周囲を巻き込み、いつの間にか仲間に引き込んでしまう力でもって、秦に抗う達人集団の結成を目指します。

そんな丹の三侠を見込んだのは、天下の大盗・盗跖や、戦国四君の孟嘗君、信陵君、平原君ら。いずれも虎狼の国、秦国による天下統一を恐れる希代の人物たち。

未だ実績のない3名が熱意と大ボラで、そういった人物たちを魅了していく様は、同じく大ボラで不良の頂点に上り詰めていく『カメレオン』を少しだけ彷彿とさせますね。

②王齕と白起

そんな強力な後ろ盾を受け、秦国に抗う丹の三侠ですが、相手はあの虎狼の国です。遠交近攻策で秦の隆盛を決定づけた范雎、老いても血気盛んな王齕、惨殺将軍の白起。荘丹は白起も味方に引き入れられないかと夢想しますが、そんなことができるわけもなく、戦線はいやおうなく熱を帯び始める。

コウモリお化けのような王齕、イケメンな白起と、この二人も実に個性的に描かれていて、その強さは圧倒的。物語としては、この二人が本格的に動き出してからが本番ですね。そして、あの長平の戦いへと流れ込んでいきます。

出典『達人伝~9万里を風に乗り』

長平の戦いと言えば、趙の廉頗。老いた知将として登場し、刎頸の友である藺相如との友情もちょっとだけ描かれています。趙のこの辺の話が好きな自分にはドンピシャです。

③ キングダムと併せて読みたい

秦をキラキラと眩い国に描いている『キングダム』とは反対に、本作では秦をこう描いています。

秦の外交たるや欺きと恫喝の多様な連続攻撃!
不気味なほど信というものがない!

出典『達人伝~9万里を風に乗り』

どちらかというと本作の方が秦の実態に近いですよね。

そういう意味で『キングダム』と併せて読むのがオススメ。時代は少しズレてはいるけど、相互補完できます。

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