曹操の偉業と強さのヒミツが分かる歴史巨編『蒼天航路』

「乱世の姦雄」と呼ばれ、中国史上に巨大な悪名を残した英雄・曹操孟徳。しかしながら、その破格な生き様と残した偉業は恐ろしいまでに眩い。小説(三国志演義)ではなく正史をベースに、その曹操の生涯を描く。

出典『蒼天航路』

ということで『蒼天航路』を紹介します。劉備が主役の三国志演義と違って、曹操の軌跡を追っているのが特徴。その苛烈さとともに数々の偉業が描かれています。

みどころ

① 「曹操」という圧倒的な人間力

一般的に世に知られている三国志は、蜀を建国した劉備玄徳を主役として多くの場面を描いている一方で、悪役の曹操は何をしたのかがあまり描かれていません。しかしながら、残した偉業は圧倒的に多く、レオナルド・ダ・ヴィンチのように多彩な人物だったとされています。

『蒼天航路』では、「乱世の奸雄」と評され、洛陽で「鬼門番」として名を馳せた青年期。黄巾の乱、董卓の反乱、兵30万・非戦闘員100万人を降伏させた青洲黄巾党の討伐など、若き日の活躍まで事細かに描写しています。

特に「青洲兵」の一件は曹操が急速に力をつけ、その後「魏武の強」と称されるきっかけとなった出来事。曹操があれほどまでに強かった理由を知るには欠かせないエピソードです。

また、軍略の才だけでなく政治、建築、絵画、詩歌、料理とさまざまな分野で業績を残しています。この時代、ありとあらゆる芸術は儒教の考えに支配され、建前でしか表現することができませんでした。それを「才能のままに表現すべし」と呪縛から解き放ったのも曹操で、中国で初めての「建安文学」を興す担い手となったとされます。

これらのことは三国志演義を何度読み返そうとも知り得ないことですよね。

唯才是挙=唯(ただ)才のみ是(これ)挙げよ(出典『蒼天航路』)

「求賢令」と呼ばれる、「才能を重視し、家柄や過去にこだわらず、当時身分の低かった専門職の人々も厚く用いる(唯才是挙)」という登用姿勢からは、曹操がいかに人間の「才能」というものに強い興味・関心を抱いていたかが分かります。才能にこだわり、才能が生み出す物事を愛した。そんな曹操の人物像が、こちらも漫画という創作物であるとはいえ、眩いばかりに浮き上がっているのが本作の魅力です

苛烈な人柄も全部ひっくるめて、こう描いたところがとても印象的でした。

出典『蒼天航路』

② 毛筆による圧倒的画力

作者の王欣太さんと言えば、原稿を筆ペンで書き上げるのが真骨頂。本当に質感の艶やかな美しい絵を描きます。その画力でもって命を吹き込まれる、あの三国志の武将たち。流れるようなセリフ回しで名言が多いのも特長ですね。この絵とこの旋律、三国志好きにはたまらない作品となっています。

圧倒的な画力で描かれる関羽雲長(出典『蒼天航路』)

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