名言の宝庫!世界を舞台にドラマを紡ぐ連作短編『MASTERキートン』

日本人の父と英国人の母を持つ「平賀・キートン・太一」は大学で考古学の講師をしながら、保険のオプ(調査員)をしている。また、英国軍のSAS(英国特殊空挺部隊)で、サバイバル教官をしていたという経歴の持ち主。夢は考古学者として、ギリシアやローマよりも古いドナウ文明を発掘すること。そんなキートンが、さまざまな人々と出会いながらドラマを紡いでいく。

平賀・キートン・太一

ということで『MASTERキートン』を紹介します。「浦沢直樹氏の最大傑作!」と個人的に思っています。

みどころ

① キートンという人の魅力

見どころは何といってもキートンの人物像。平凡な容姿からは想像できませんが、軍隊でのサバイバル経験、考古学の深い知識を有しながら、保険調査員という仕事柄、さまざまな事件に出くわします。

保険調査員としては非常に有能(出典『MASTERキートン』)
サバイバル術・格闘術にも精通(出典『MASTERキートン』)

そんなハードボイルドな一面だけでなく、子供のような好奇心を持っていて、イタリアで食べたティラミスを手作りで再現しようとしては「うーん、何か違うんだよなあ」と悩み、上手くいけば「そうか、オレンジキュラソーだ!」と本気で喜びます。そんな姿に娘からは「お父さんは本当に若いね。いつ会っても新鮮な感じがする」と評される。こんな大人に憧れたものです(笑)

日常をめいっぱい楽しむのがキートン流(出典『MASTERキートン』)

でも、本人は保険調査員という本業には満足しておらず、夢はあくまでドナウ文明の発掘。そのために大学教授への道を探るもなかなかうまくいきません。それでも決して夢をあきらめず、先に進んでいく姿に心揺さぶられます。

② 質の高い数々のドラマ

物語の形式は連作短編。全体としては続いているけど、1話ごとに内容の異なる短編が綴られます。その1話1話が、とても質が高い。例えば、

父親が亡くなってすぐ再婚しようとしている母親を懲らしめようと家出した少女に、

一人の人間が自分以外の人のために、
人生の幸せの何分の一かでも犠牲にすることは、
大変なことなんだ。
たとえ、親と子でも。

娼婦の自虐的な「自分は虫ケラだから…」という言葉に、

自分を虫ケラだと思って、
そこから這い上がろうとする奴は、
虫ケラとは言わない!
それは人間だ。

戦時中、英国が独軍の空襲を受けたあと、瓦礫の上で、

人間は、一生学び続けるべきです。
人間には好奇心、知る喜びがある。
肩書きや、出世して大臣になるために学ぶのではないのです。
では、なぜ学び続けるのでしょう?
――それが人間の使命だからです。

どんな人でも必ず心に響くエピソードが見つかる作品。

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